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今月の税務・経営トピックス
(2007年1月1日 更新)


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税務・会計
定期同額給与の具体例

   平成18年4月1日以後に開始する事業年度から役員に対する定期同額給与は損金に算入される ことになりましたが、具体的な定期同額給与の範囲が明らかになってきております。
 定期同額給与に改定があった場合でも損金算入される場合は、
・改定のうち事業年度開始の日から3月を経過する日までの改定でその改定の前後が
 一定額の場合
・法人の経営状況が著しく悪化した場合の減額でその減額の前後が一定の場合
に限られます。
 これら以外の改定においては次のように損金に算入できる範囲がことなりますので注意が必要です。

 例 法令違反等の責任をとるため一時的に役員給与を2ヵ月間減額した場合
    〜企業秩序の維持又は法人への悪影響を避けるために社会通念上相当な
     場合は差し支えない。

 例 事業年度開始の日から7ヵ月目に代表取締役急逝したため、取締役が代表
   取締役に就任して役員給与増加した場合
    〜やむをえない事由による増額のため増額前後の役員給与は全て損金算入

 例 事業年度開始の日から9ヵ月目より役員月額給与が増額された場合
    〜9ヵ月目から12ヵ月目の増額部分は損金不算入

 例 事業年度開始の日から9ヵ月目より役員月額給与が減額された場合
    〜減額前の8ヵ月目までの役員月額給与のうち、9ヵ月目から
     12ヶ月目の役員月額給与部分までが損金算入、それを越える部分は
     損金不算入



 

法 律
 株式の形態いろいろ  

 株式は、株式会社の社員の地位を分割したものであり、売却して投資した額を 自由に回収できるものです。その株式には自由に譲渡できる、剰余金や配当金を請求できる、 会社が清算するときに残余財産を請求できる、さまざまな決議について議決権を行使で きるといった特徴があります。
 ただし、定款により以下のようなさまざまな別段の定めをおいた株式を設けることもできます。
★株式を自由に譲渡できることに対する別段の定め
  1.譲渡制限株式〜株式の全部又は一部について、その株式を譲渡
    するには会社の承認が必要な株式
  2.取得請求権付株式〜株式の全部又は一部について、株主が会社へ保有する
    株式の取得を請求することができる株式
  3.取得条項付株式〜株式の全部又は一部について、あらかじめ定款に定めた
    一定の自由が生じた場合に、会社が株主の持つ株式を取得できる株式
  4.全部取得条項付種類株式〜種類株式として発行されており、株主総会の特別決議を
    経ることにより、その全部を取得することができる株式

★剰余金や配当金、残余財産を請求できることに対する別段の定め
  1.優先株式、劣後株式〜種類株式として発行されており、普通株式に優先して、
    又は劣後して取り扱われる株式

★議決権に対する別段の定め
  1.議決権制限株式〜種類株式として発行されており、議決権の行使が制限
    される株式
  2.拒否権付種類株式(黄金株)〜種類株式として発行されており、定時総会や取締
    役会の決議について拒否権を持つ株式
  3.役員選任権付株式〜種類株式として発行されており、定款でその種類株主総会で
    取締役や監査役の選任する定めのある株式
 このように、会社法施行により、普通株式にオプション的につける場合や、種類株式として
発行する場合など、会社の状況に応じて選択ができるようになっております。
 あとはそれによる株主の会社に対する気持ちがどうかなど実際にそれを選択をした
場合の会社と株主との関係も検討する必要がありそうです。
 



人事・労務
公的年金等

公的年金等の確定申告
 収入が公的年金のみの方でも、公的年金等に係る雑所得の金額から 各種所得控除の合 計額を控除後の金額に対して税率を適用して計算した金額が定率減税額を超える方は、所 得税の確定申告をしなければなりません。
 *公的年金以外に所得がなく65歳以上で扶養者がいない場合の方は、
  その年金収入が1,581,999円以上の場合は確定申告をしなければなりません。
 *公的年金以外に所得がなく65歳未満で扶養者がいない場合の方は、
  その年金収入が1,081,999円以上の場合は確定申告をしなければなりません。

 2以上の年金支払者に対して扶養控除申告書を提出している方や年金以外に給料等など 他の所得がある方などは、確定申告が必要です。

公的年金等の源泉徴収票は、平成19年1月11日より送付されていますが、所得税の 課税対象となっていない障害年金、遺族年金などは、源泉徴収票は送付されません。

厚生年金保険任意加入

厚生年金保険任意単独被保険者
 厚生年金保険の適用事業所以外の事業所に使用されている70歳未満の者が、 個人で厚生年金保険に加入を希望すれば、被保険者になることができる。 (任意単独被保険者)
 任意単独被保険者の認可を受けるには、その事業所の事業主の同意を得なけれ ばならない。
 社会保険庁長官の認可を受けるには、事業主の同意が必要である。
 申請者が任意単独被保険者となったことにより、当該被保険者を使用する 事業主には、当該被保険者に係る資格の得喪関係の届出義務、また当該被保険者の 保険料の半額負担及び納付義務が生じるためである。

厚生年金保険高齢任意加入被保険者
 適用事業所に使用される70歳以上の者であつて、老齢基礎年金等の政令で 定める給付の受給権を有しないものは、社会保険庁長官に申し出て、被保険者 となることができる。
 ただし適用事業所以外の事業所に使用される70歳以上の者であつて、 老齢基礎年金等の政令で定める給付の受給権を有しないものは、 事業主の同意を得て社会保険庁長官に申し出て、被保険者となることができる。
                                                      

            


経 営
 ISOを考える 

 I S O(International Organization for Standardization 国際標準化機構) を考える。
  ISO 9001 & ISO 14001 とは!

(1)ISO 9001 
   顧客は、品質マニュアルの整備がされることで、安定した製品やサービスの供給できる、 すなわち品質システムの確立した企業を期待している。
   よって、企業側は顧客のこのような要求に対応すべく、ISO9001の認証取得をすることにより、 製品、サービスにつきしっかりした品質システムを有していることを明確にすることが求められることとなる。
 なお、品質システムとは、品質管理を実施するために必要となる組織構造、手順、プロセス及び経営資源のことをいう。
 事実、国際的ビジネスことにEUとのビジネスにおいてはISO9001の認証取得は、大事なファクターの一つであるといえる。
 すなわち、ISO9001認証取得の動機は
 1.海外取引・海外進出
 2.競争企業との差別化
 3.社内の品質保証の確保
 4.契約上有利
  等があげられる。

 しかし、反面
 1.社内の研修費、コンサルタント費、審査登録機関への支払い等々
 2.マニュアルをはじめとした文書量がふえる
 3.随時改定をしなければならない
  等のデメリットもある。

 もちろん、品質システムのマニュアル化、文書化の徹底により安定した品質の 製品やサービスの提供が維持できるが、決して品質のレベルを保証するものでは ないし、定期的サーベイランス(定期審査)の受審を必要とする。
 なお、ISO9001認証取得の成功の為のファクターは
 1.認証取得をするという経営トップの強い意思決定
 2.社員、従業員向けの認証取得の明確な目的の明示
 3.認証取得の対象(どこの支店、どこの工場、どこの事業所)
  の範囲の決定
  等があげられる。  その結論として、
 @顧客満足度を意識した経営が、
 Aお客様に喜ばれる結果をうみ、
 B売上や当期利益の最大化をもたらし、
 C株主、社員、役員等々のステークホルダーの満足度の向上を
  実現し
 D永続企業として生き残り
 E社会貢献の責を担うという好循環サイクルを廻すことが可能
  となる。

(2)ISO 14001
   ISO14001は、当該企業が環境管理システム規格を有している
 かどうかということであり、すなわち、企業が自主的に環境へ
 の負荷を低減するようなシステムを構築することにより水質汚
 濁、大気汚染、二酸化炭素排出、オゾン層の破壊等々の対策の
 実施により顧客からの評価を受けなければならない。

 すなわち認証取得に向け
 1.環境対策方針の立案とその実施についてトップダウンで!!
 2.環境管理の体制とマニュアルの作成
 3.環境管理目標値の設定

 等が必要となり、その結果、海外取引の拡大メリット、企業イメージの向上メリット、 コスト削減メリット等の享受により(1)ISO 9001で記述した好循環サイクルを廻すことが可能となる。

 

 I T など
本年4月1日より改正民法が施行されております。 

大きな2つの整備がなされており、
その第1が
保証契約の適正化すなわち、保証人が過大な責任を負いがちな保証契約(特に根保証契約)についてその契約内容を適正化するための整備であります。
第2には
民法の現代語化への整備であり、民法を国民に理解しやすいものとするため、その文体や用語の現代語化が行なわれました。

1. 改正法の要点

(1)保証契約の適正化
融資に関する根保証契約を締結した個人の保証人を保護するため改正されました。
これまでも、根保証契約は、中小企業が融資を受ける際の代表者の個人保証などに多用されてきました。
しかし、旧民法の下ではその契約内容をどのように定めるかについて制限がなく、金額・期間について無制限に責任を負う 場合もあり(包括根保証契約)、保証人が過大な責任を負いがちであると指摘されていました。
このため、保証人が負担する責任を予測可能な範囲に限定するなど、根保証契約の適正化を図るため、 次の様な措置が講じられました。

@極度額(限度額)の定め
極度額の定めのない根保証契約を無効としています。
今回の措置の対象となっているのは、主たる債務の範囲に融資に関する債務が含まれており、 かつ保証人が個人であるものに限られています。
このような根保証契約(貸金等根保証契約)であって極度額を定めていないものは、 その契約が無効となります。

A元本確定期日(保証期間の制限)
根保証をした保証人は、元本確定期日までの間に行われた融資に限って保証債務を負担する こととしています。
この元本確定期日は、契約で定める場合には契約日から5年以内、契約で定めていない場合には 契約日から3年後の日となります。
貸金等根保証契約について、契約日から5年を超える元本確定期日を定めると、その期日の定めが 無効となります。
この場合には、元本確定期日の定めがないことになりますので、契約日から3年後の日が元本確定期日 ということになります。
なお、根保証契約の締結後に、当初定めていた元本確定期日を先に延ばす変更をすることは可能です。
しかし、この変更をするには債権者と保証人の合意が必要であり、また,変更後の元本確定期日は、 その変更をした日から5年以内の日でなければなりません。
また、改正法の施行前(平成17年4月1日)に締結された貸金等根保証契約は、無効にはなりません。
ただし、改正法の施行後3年が経過しても元本が確定しないものは、3年を経過する日に自動的に元本が確定する という経過措置が設けられていますので、改正法の施行前に締結された貸金等根保証契約の保証人は、元本が確定した後の 融資については保証債務を負わないことになります。

B元本確定事由
主たる債務者や保証人が、強制執行を受けた場合、破産手続開始の決定を受けた場合、死亡した場合には、 根保証をした保証人はその後に行われた融資については保証債務を負担しないこととしています。

C書面の作成(※すべての保証契約が対象)
根保証契約を含む保証契約は、契約書などの書面によってしなければ無効になります。


(2)民法の現代語化

@文体の平仮名 ・ロ語化
これまで片仮名、文言吾体であった文体を、親しみやすい平仮名・ロ語体の文体に改めています。

A用語の平易化
現代では用いられていない用語を、平易なものに置き換えています。

B各条文に見出しがつけられました。
これまであった見出しは、法令中にはなかったもので、参考として出版社等が記述していたものです。

参考:法務省資料
民法の一部を改正する法律の概要
(平成17年4月1日施行)

(3)主な改正条文

(保証人の責任等) 第446条  保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う。
2 保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。
3 保証契約がその内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識する ことができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)によって されたときは、その保証契約は、書面によってされたものとみなして、前項の規定を適用する。

説    明
 新民法では、契約につき電磁的記録を含めて、書面にしなければならなくなりました。


(貸金等根保証契約の保証人の責任)
第465条の2  一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約(以 下「根保証契約」という。) であってその債務の範囲に金銭の貸渡し又は手形の割引を受けることによって負担する債務(以下「貸金等債務」という。)が 含まれるもの(保証人が法人であるものを除く。以下「貸金等根保証契約」という。)の保証人は、主たる債務の元本、 主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのもの及びその保証債務について約定された違約金 又は損害賠償の額について、その全部に係る極度額を限度として、その履行をする責任を負う。
2 貸金等根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じない。
3 第446条第2項及び第3項の規定は、貸金等根保証契約における第1項に規定する極度額の定めについて準用する。

説    明
第1項
・貸金等債務には、継続的販売契約債務や賃貸契約の保証は含みません。
・保証人が法人であるときを除きます。
第2項
・極度額を設定することで、保証人の責任を金額面で制限できます。また、極度額は、元本だけでなく、 利息、損害金等を含めて設定することになりました。
第3項
・契約につき電磁的記録を含めて、書面にしなければなりません。


(貸金等根保証契約の元本確定期日)
第465条の3  貸金等根保証契約において主たる債務の元本の確定すべき期日(以下「元本確定期日」という。)の 定めがある場合において、その元本確定期日がその貸金等根保証契約の締結の日から5年を経過する日より後の日と 定められているときは、その元本確定期日の定めは、その効力を生じない。
2 貸金等根保証契約において元本確定期日の定めがない場合(前項の規定により元本確定期日の定めがその効力を 生じない場合を含む。)には、その元本確定期日は、その貸金等根保証契約の締結の日から3年を経過する日とする。
3 貸金等根保証契約における元本確定期日の変更をする場合において、変更後の元本確定期日がその変更をした 日から5年を経過する日より後の日となるときは、その元本確定期日の変更は、その効力を生じない。ただし、元本確定期日 の前二箇月以内に元本確定期日の変更をする場合において、変更後の元本確定期日が変更前の元本確定期日から5年以内の日 となるときは、この限りでない。
4 第446条第2項及び第3項の規定は、貸金等根保証契約における元本確定期日の定め及びその変更(その貸金等根保証契約の 締結の日から3年以内の日を元本確定期日とする旨の定め及び元本確定期日より前の日を変更後の元本確定期日とする変更を 除く。)について準用する。

説    明
・保証人の責任を、時間面で制約した。すなわち、確定期日後の元本については保証債務を負担しません。
・保証期間は5年以内と制約し、期日の定めがないものは、3年となります。
・期限の事後的変更は可能です。しかし、自動更新特約は出来ません。
・契約につき電磁的記録を含めて、書面にしなければならなりません。


(貸金等根保証契約の元本の確定事由)
第465条の4  次に掲げる場合には、貸金等根保証契約における主たる債務の元本は、確定する。
一 債権者が、主たる債務者又は保証人の財産について、金銭の支払を目的とする債権についての強制執行 又は担保権の実行を申し立てたとき。ただし、強制執行又は担保権の実行の手続の開始があったときに限る。
二 主たる債務者又は保証人が破産手続開始の決定を受けたとき。
三 主たる債務者又は保証人が死亡したとき。

説    明
・仮差押、滞納処分による差し押えは元本確定事由にならりません。
・死亡の事由が生じたときは、保証人の地位は承継されないのだから、その時に元本が確定することになります。


(保証人が法人である貸金等債務の根保証契約の求償権)
第465条の5  保証人が法人である根保証契約であってその主たる債務の範囲に貸金等債務が含まれるものにおいて、 第465条の2第1項に規定する極度額の定めがないとき、元本確定期日の定めがないとき、又は元本確定期日の定め若しくは その変更が第465条の3第1項若しくは第3項の規定を適用するとすればその効力を生じないものであるときは、その根保証契約の 保証人の主たる債務者に対する求償権についての保証契約(保証人が法人であるものを除く。)は、その効力を生じない。

説    明
・ 根保証人である法人の背後にいる個人保証人の保護のためです。

まとめとして、実務的には、貸し金等の債権者にとって、期日管理、与信管理の重要性が増すこととなり、 一方債務者にとっては、保証人の保証がいつまで得られるか(元本確定期日)、どのくらい得られるか (極度額)等の事項についての課題が増す結果となったとも考えられます。
    

*このホームページの記載内容につきましては、あくまで標準的なものを想定して記述しております。個別ケースによっては、必ずしも前提となる条件が一致しないため、結論が変わってくることも予測されますのでご留意下さい。また、意見の部分は私見ですので、予めご了承くださるようお願いいたします。


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