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今月の税務・経営トピックス
2003年8月1日更新


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税務・会計
 連結会計における子会社・関連会社の範囲

   連結会計というと、親会社が連結財務諸表制度に基づき企業集団の連結財務諸表を作成するのであって、 子会社・関連会社は特に関係はないと思われるのではないでしょうか。 
 確かに、連結財務諸表を作成して企業集団としての経営成績や財政状態を投資家等へ報告する義務があるのは親会社です。
 しかし、子会社・関連会社も親会社と会計処理を統一する必要があり、親会社の連結財務諸表作成のために要求されることは たくさんあります。
 よって、今回はどのような場合に子会社・関連会社と判定されるのかを簡略してご説明したいと思います。


連結企業集団に含められるのは子会社と関連会社

企業集団に含まれる子会社と関連会社の範囲を決定する基準には、大別すると、持株基準と支配力基準とがあります。
 ・持株基準とは、会社の議決権のある株式の所有割合(持株比率)を重視する基準です。
 ・他方、支配力基準とは、持株基準のように議決権のある株式の過半数を有していなくとも、他の 会社を実質的に支配している場合にも企業集団に含めるという基準です。
  つまり、支配力基準は持株基準を含むことになります。
  以前は、単純に持株基準によって企業集団の範囲を決定していましたが、持株比率を50% 以下に抑えて意図的に企業集団からはずすという問題があり、現在では持株基準を含む支配力基 準により、企業集団を決定しています。

1、子会社の範囲

 何をもって他の会社を支配しているのかを決定するのは大変むずかしいものです。
 そのため、具体的には以下のような基準が設けられております。
 (1)他の会社の議決権の過半数を実質的に所有している場合。
 (2)他の会社に対する議決権の所有割合が50%以下であって
   も、高い比率の議決権を所有し以下の場合には子会社となり
   ます。
   @株主総会で、議決権を行使しない株主がいるために、継続
    して議決権の過半数を占めることができる場合。
   A役員、関連会社などの協力的な株主の存在により、株主総
    会において議決権の過半数を継続的に占めることができる
    場合。
   B親会社等の役員や従業員等が取締役会の過半数を継続し
    て占める場合。
   C重要な財務および営業の方針決定を支配する契約などが存
    在する場合。

 ここでの子会社とは、子会社が他の会社を支配している場合の孫会社も子会社とみなされるということですので、注意が必要です。
 また、連結の範囲に含めることについて重要性が乏しい場合や支配が一時的であったり、連結の範囲にふくめるとかえって利害関係者の判断を誤らせる場合は連結の範囲から除外することとなります。


2、関連会社の範囲

 以前は、議決権の20%以上を所有するのが前提であり、その上で人事や資金等により財務や経営の方針決定に重要な影響を与える 場合に関連会社として連結の範囲に含めていました。
 しかし、20%以下の議決権でも上記のような重要な影響を与える場合を連結の範囲に含めるために、影響力基準を導入しました。
 この影響力基準とは、支配力基準の延長線上にあり、議決権の所有割合が20%未満であっても一定の議決権を所有し、かつその会社の  財務および営業の方針決定に対して重要な影響を与えることができる場合も連結の範囲に含めるというものであり、支配力基準におけ る持株基準と同じく20%という持株基準も含むものです。
 
 このように、連結の範囲に該当するかどうか規定されております。よって、当社の株主構成の変更等が生じた場合には当社が連結子
会社や関連会社に当社が該当するか判定する必要があるのではないでしょうか。  

法 律
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*** ***

人事・労務
 全額自己負担した医療費の受給申請 

 夏休みに旅行へでかけられる方も多いのではないでしょうか。
 海外旅行で急な病気や怪我などのため医者にかかった場合に、その場で支払う治療費は全額自己負担となる場合がほとんどです。
 また、国内旅行でも被保険者証を携帯してないなどの理由のため、被保険者証を提示できなかった場合も全額自己負担になります。
 このような場合には、実際に本人が支払った医療費について療養費を現金で支給されます。
 ただし、支払った金額が内容を問わず全額支給されるわけではなく、支払った医療費を保険組合が保険診療に準じた額をもとに審査をし、かつ一部負担金を除いた額が療養費として支給されます。
 療養費の請求は、療養費支給申請書(医師の診療明細または証明書が必要)、医療費の領収証が必要です。また、海外の医師の診療明細書や領収書が外国語で記入されている場合は、日本語の翻訳を翻訳者の住所・氏名とともに添付する必要があります。
 よって、自己負担となった医療費について、一部でも健康保険組合が補填してくれる場合が考えられますので、一度電話で確認をしてみてはいかがでしょうか。

 算定基礎手続き後の標準報酬月額の適用 

 7月に行った社会保険の算定基礎手続きにより標準報酬月額(4月、5月、6月の3ヶ月間に支払われた給与の総額を3で割り算定した平均賃金に基づく標準報酬)が決定しました。
 その標準報酬月額に応じたに改正後の保険料は、原則としてその年の9月から翌年の8月まで適用されます。
 ただし、改正後の保険料を控除するのは10月に支給される給与からとなりますので、ご注意ください。

経 営
バランススコアカード(バランストスコアカード)
 英文表記   Balanced Scorecard
 略   記    BSC

1. BSCとは?
 BSCとは?の問いに対しては、次のようにいろいろな説明がされている。 横浜国大吉川教授は「BSCは、ビジョンと戦略 をアクションに落とし込み、成長力と競争力を付け、未来を切り拓き企業を成功に導く戦略的マネジメントシステムである。」、 神戸大学伊藤教授は「BSCは、日本企業が半ば無意識のうちに培ってきた「顧客満足の追求」、「従業員重視」、 「長期的展望にもとづく経営」をシステマティックに再構築し、新たに「株主価値の向上」というゴールを付与した。」、早大清 水教授は「BSCは、業績評価システムではなく、戦略をマネジメントするためのシステムである。すなわち、戦略マネジメント システムである。これまで、連携が弱かった戦略と予算との橋渡しをするツールである。」と説明している。

2. BSCの誕生
  BSCは、デビット・ノートンとロバート・キャプランにより、1992年にハーバード・ビシネス・レビュー誌に業績測定問題の 解決の手法として発表された。  その後、デビット・ノートンとロバート・キャプランの予想を超えて、実際に企業は、業績の測定にとどまらず、新しい戦略導入 の手法として利用し、大きな利益をあげることができた。  その結果、BSCは、新しい組織形態である「戦略志向の組織体」実現のために利用されるようになってきた。  すなわち、BSCの手法の特徴は、ビジョンと戦略をアクションに落とし込み、成長力と競争力を付けるための戦略的マネジメン トシステムを作り上げることであるということができる。

3. 4つの視点
 ビジョンと戦略を実現するためにこれらに密接に絡む4つの視点を次に説明する。
 (1) 財務の視点
    これまでの財務分析と同等のやり方で成果を評価する視点。過去から現在ま
   での企業活動状況をみる。

     成果指標(例) 株式資本利益率、投下資本利益率、キャシュフロー

 (2) 顧客の視点 
    顧客にとっての自社の強み、弱みを評価する視点。売上高や利益率等財務の
   視点に直結する要因となる。

     成果指標(例) 市場占有率、顧客満足度、ブランド力

 (3) 内部業務プロセスの視点
    SCM,商品開発、マネジメントプロセス等の業務プロセスについて、品質、
   効果、付加価値を評価する視点。
    顧客に対する価値の大きさに直結する要因。

     成果指標(例) 新製品売上高比率、品質、生産性

 (4) 学習と成長の視点
    持続的な成長のために人材、組織、情報システムなどのインフラを評価する
   視点。
    安定した成長性を長期的に判断する。

     成果指標(例) 従業員スキル、ナレッジメント

 I T
セキュリティ 

 企業におけるEUCの進展にともない、情報セキュリティ対策を個別的、具体的に実施することは当然であるが、その前に、 経営に「ビジョン」や「戦略」があるように、情報セキュリティにも「情報セキュリティポリシー」がなければならない。
 これは、企業や組織体が持っている「人」、「物」、「金」、「情報」という財産のうち、まさに情報財産を守るための個別的、具体的な方針、約束、規則等を明文化したものである。
 このポリシーの策定とその実施、教育、訓練及びそれらの評価をすることにより、より安全性の高い、そして費用対効果のよい情報セキュリティ対策が可能となる。

 次に、具体的に検討すべき項目例を述べる。

  1. 情報セキュリティ委員会(グループ)の設置
  2. 会社、事務室、コンピュータ室への入退室管理
  3. 情報の機密度の評価とその管理
  4. 情報機器利用に関する教育、訓練
  5. 情報機器の保守点検
  6. システム開発の管理
  7. アウトソーシング契約および管理
  8. イントラネット、エクストラネット、インターネット利用規程
  9. 電子メール利用規程
 10. パスワード管理
 11. ソフトウエアーとそのインストール等の管理
 12. データの暗号化
 13. コンピュータウィルス対策
 14. データベース管理、保守、運用
 15. データ媒体の管理、保守、運用
 16. アウトプット資料の管理、運用   等々 

*このホームページの記載内容につきましては、あくまで標準的なものを想定して記述しております。個別ケースによっては、必ずしも前提となる条件が一致しないため、結論が変わってくることも予測されますのでご留意下さい。また、意見の部分は私見ですので、予めご了承くださるようお願いいたします。


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