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今月の税務・経営トピックス
2003年1月1日更新


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税務・会計
ストックオプションに係る課税関係

 ストックオプション制度とは、会社が取締役や従業員等に対して、自社株を予め定められた価額で購入できる権利を与える制度のことです。
 この制度を採用することにより、会社の業績が向上し株価が上昇すれば、権利を付与された者の値上り益も増えることになりモチベーションを向上させることができるといわれています。
 この制度の採用について、商法では権利の付与対象者、発行制限、権利の行使をしなければならない期間、株主総会での権利付与決議などの制限がなくなり、大幅に条件が緩和されました。
 しかし、所得税においては、ストックオプションの権利行使をして、株式を取得した時点において非課税となるものの条件は狭いままとなっております(非課税といっても、課税の繰り延べであり、税金の納付を先延ばしにすることです。)。
 簡略すると以下のようになります。
 非課税の要件を満たさないものについては、ストックオプションの権利を行使した時点と、その取得した株式を売却した時点でそれぞれ課税されます。
 また、非課税の要件を満たすものについては、ストックオプションの権利を行使して株式を取得した時点では非課税となり、その株式を売却した時点で課税するため、課税の繰り延べを受けられます。
 なお、非課税の条件を満たさない場合での権利行使時に発生した所得は、所得税法上なんの所得に分類されるかというと、その権利を行使した者により異なり、給与所得、雑所得、事業所得などになります。(最近、給与所得ではなく、一時所得であるとの東京地裁の判決が出た例もあり、今後の動向が注目されます。)
 また、取得した株式を売却したときは、条件のいかんを問わず、株式の譲渡所得となり、申告分離課税の対象となります。

法 律
会社の商号にローマ字等の表記が可能になりました

 商号登記には、日本語のみの商号しか認められておりませんでしたが、ローマ字、アラビア数字、その他の符号も平成14年11月1日から、使用できるようになりました。
 なお、使用できる文字は以下の通りです。

(1)ローマ字
 「ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ」の大文字と、
 「abcdefghijklmnopqrstuvwxyz」の小文字です。

(2)アラビア数字
 「0123456789」です。

(3)その他の符号
 「&」(アンパサンド)、「'」(アポストロフィ−)、「,」(コンマ)、「─」 (ハイフン)、「.」(ピリオド)、「・」中点です。
 ただし、その他の符号は、字句を区切るためだけに使用できますが、「.」(ピリオド)は'株式会社'等の会社の種類を示す部分を除いて商号の末尾に使用できます。

 商号の変更のための手続きとしては、まず同一市区町村において、同じ業種に同じ名称又は同種の名称(類似商号)の登記が存在しないかを確認します。そして類似商号がクリアできましたら会社の定款上の商号によって次の手続きをとります。
 会社の定款上の商号がすでにローマ字となっている場合には登記の更正の申請をします。
 会社の定款上の商号がカタカナになっている場合には、定款の変更手続きをした後、商号の変更登記を申請することになります。
 ちなみに、定款の変更は取締役会で変更の内容を決めた後、株主総会で特別決議(発行済議決権株式総数の3分の2以上の賛成が必要な決議)を経ることになります。
 この商号の変更により、新たな事業展開も考えられそうです。

人事・労務
(1)社会保険(健康保険、厚生年金)

    株式会社、有限会社などの法人事業所、常時5人以上の従業員のいる個人事業所(強制適用事業所)において、常用的な使用関係があると認められる場合には、国籍や給料の多少、本人の意志、年金の受給の有無などにかかわらず社会保険に加入することが義務づけられています。(社長が1人だけでも、加入しなければなりません。)
 常用的な使用関係とは、1日または1週間の労働時間が一般従業員のおおむね4分の3以上であり、また1ヶ月の労働日数がその事業所において同じような仕事をしている一般従業員のおおむね4分の3以上であることをいいます。
 

(2)労働保険(労災保険、雇用保険)

   どのような事業であっても労働者を1人でも使用する事業は、その事業主や労働者の意思にかかわらず、労働保険に加入することが義務づけられています。ただし、国の直営事業、非現業の官公署、船員保険の被保険者は、適用除外となっています。
 労災保険の適用を受ける労働者とは、職業の種類を問わず事業に使用され賃金を受けるすべての者(正社員、契約社員、アルバイト、パート等)です。
 雇用保険は、すべての労働者が保険の給付の対象となるわけではなく、一部の例外を除き下記の用件を満たす者です。

  @  1週間の労働時間が20時間以上であること
  A  1年以上引き続き雇用されることが見込まれていること

経 営
バランススコアカード(バランストスコアカード)
             英文表記   Balanced Scorecard
             略   記    BSC

1. BSCとは?
 BSCとは?の問いに対しては、次のようにいろいろな説明がされている。 横浜国大吉川教授は「BSCは、ビジョンと戦略 をアクションに落とし込み、成長力と競争力を付け、未来を切り拓き企業を成功に導く戦略的マネジメントシステムである。」、 神戸大学伊藤教授は「BSCは、日本企業が半ば無意識のうちに培ってきた「顧客満足の追求」、「従業員重視」、 「長期的展望にもとづく経営」をシステマティックに再構築し、新たに「株主価値の向上」というゴールを付与した。」、早大清 水教授は「BSCは、業績評価システムではなく、戦略をマネジメントするためのシステムである。すなわち、戦略マネジメント システムである。これまで、連携が弱かった戦略と予算との橋渡しをするツールである。」と説明している。

2. BSCの誕生
  BSCは、デビット・ノートンとロバート・キャプランにより、1992年にハーバード・ビシネス・レビュー誌に業績測定問題の 解決の手法として発表された。  その後、デビット・ノートンとロバート・キャプランの予想を超えて、実際に企業は、業績の測定にとどまらず、新しい戦略導入 の手法として利用し、大きな利益をあげることができた。  その結果、BSCは、新しい組織形態である「戦略志向の組織体」実現のために利用されるようになってきた。  すなわち、BSCの手法の特徴は、ビジョンと戦略をアクションに落とし込み、成長力と競争力を付けるための戦略的マネジメン トシステムを作り上げることであるということができる。

3. 4つの視点
 ビジョンと戦略を実現するためにこれらに密接に絡む4つの視点を次に説明する。
 (1) 財務の視点
    これまでの財務分析と同等のやり方で成果を評価する視点。過去から現在ま
   での企業活動状況をみる。

     成果指標(例) 株式資本利益率、投下資本利益率、キャシュフロー

 (2) 顧客の視点 
    顧客にとっての自社の強み、弱みを評価する視点。売上高や利益率等財務の
   視点に直結する要因となる。

     成果指標(例) 市場占有率、顧客満足度、ブランド力

 (3) 内部業務プロセスの視点
    SCM,商品開発、マネジメントプロセス等の業務プロセスについて、品質、
   効果、付加価値を評価する視点。
    顧客に対する価値の大きさに直結する要因。

     成果指標(例) 新製品売上高比率、品質、生産性

 (4) 学習と成長の視点
    持続的な成長のために人材、組織、情報システムなどのインフラを評価する
   視点。
    安定した成長性を長期的に判断する。

     成果指標(例) 従業員スキル、ナレッジメント

 I T
セキュリティ 

 企業におけるEUCの進展にともない、情報セキュリティ対策を個別的、具体的に実施することは当然であるが、その前に、 経営に「ビジョン」や「戦略」があるように、情報セキュリティにも「情報セキュリティポリシー」がなければならない。
 これは、企業や組織体が持っている「人」、「物」、「金」、「情報」という財産のうち、まさに情報財産を守るための個別的、具体的な方針、約束、規則等を明文化したものである。
 このポリシーの策定とその実施、教育、訓練及びそれらの評価をすることにより、より安全性の高い、そして費用対効果のよい情報セキュリティ対策が可能となる。

 次に、具体的に検討すべき項目例を述べる。

  1. 情報セキュリティ委員会(グループ)の設置
  2. 会社、事務室、コンピュータ室への入退室管理
  3. 情報の機密度の評価とその管理
  4. 情報機器利用に関する教育、訓練
  5. 情報機器の保守点検
  6. システム開発の管理
  7. アウトソーシング契約および管理
  8. イントラネット、エクストラネット、インターネット利用規程
  9. 電子メール利用規程
 10. パスワード管理
 11. ソフトウエアーとそのインストール等の管理
 12. データの暗号化
 13. コンピュータウィルス対策
 14. データベース管理、保守、運用
 15. データ媒体の管理、保守、運用
 16. アウトプット資料の管理、運用   等々 

*このホームページの記載内容につきましては、あくまで標準的なものを想定して記述しております。個別ケースによっては、必ずしも前提となる条件が一致しないため、結論が変わってくることも予測されますのでご留意下さい。また、意見の部分は私見ですので、予めご了承くださるようお願いいたします。


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